ブランケット

ちいたろ

2009年09月29日 18:25

本日お送りするのは、結婚3年目に不慮の事故で夫に先立たれたある女性の物語です。
この女性は自分の人生に悲観して、幸せだった過去の事ばかりを考えています。
果たして彼女に待ち受けている運命とは?
それではお楽しみください。


「ブランケット」

夫の四十九日で久々に会った知人夫婦が、ずっと家にこもっていた私を心配し、
いつもと違う景色を見て、美味しいものを食べたら気分も晴れる。
と、なかば無理矢理キャンプに連れてこられたのは、南東北の湖畔にあるキャンプ場。

だけどキャンプに来ても、思い出すのはアウトドアが好きだった夫の事ばかり。
仲良く料理をする知人夫婦の後姿が、一年前の私達に重なって見えて気分は晴れない。

キャンプ場はすっかり秋の気配で少し肌寒い。
1年前夫と二人で選んだブランケットを取り出し肩にかける。
前向きに生きなければ。と思っても、いつも考えているのは夫と過ごした昔の事ばかり。

紅葉した山が湖面に写っている。
よく晴れた空の青と高い位置にある雲の白、湖の水面のエメラルドグリーン、紅葉した山の赤や黄が鮮やかな景色を作り出している。
きっと感動する景色なのだろうけど、今の私にはモノクロ写真のようにしか見えないし、昔、夫に連れてきてもらった秋のキャンプが思いだされて、ますます気分は暗くなる。

あの人を失ったこの世界で一人で生きて、なんの意味があるのだろう。
夫と過ごした思い出の世界はこんなにも鮮やかで輝いて見える。

もう目の前の湖に飛び込んで、あの人の元に行こう。

私は湖の水際まで来た。
湖から吹く風はとても冷たい。
ブランケットを頬のあたりまで持ち上げる。
夫の匂いがした気がした。

きっと水も冷たくなってきて心臓麻痺になるだろう。
心臓麻痺にならなくてもほとんど泳げない私はすぐに湖の底に沈むだろう。

そんな事を考えていたら、心臓がバクバクしてきた。
やっぱり死ぬのは怖い。
でもあの人のもとへ行きたい気持ちはもっと大きい。
なんだか強い吐き気までしてきた。
湖に入ることもできず、その場にうずくまってしまった。

知人夫婦がすぐに気づいて来てくれ、念の為病院で診てもらいなさいと、キャンプ場の近くの病院に連れられてこられた。

病院で色々検査をされている間も、
どうせ私は死ぬつもりだから検査なんか意味ないのに。
などと考えていた。

しかし医師から思ってもみなかった言葉を告げられる。

妊娠2ヶ月ですね。

私のお腹に赤ちゃんがいる。夫の子供がいる。


診察を終え、病院を後にする。夕方になってますます冷え込んできた。
体が冷えないようブランケットに包まる。

体に異常は無いとの事なので、知人夫婦のSUVの後部座席に座り、キャンプ場に戻る。

涙が流れた。
今までさんざん流した夫がいなくなった悲しい涙とは違う。
感動の涙。
一人じゃない。夫が残してくれたこの子がいる。
私が守らなきゃ。私強く生きなきゃ。


1年後…


生まれてきた赤ちゃんは元気な男の子。
目元なんか夫にそっくり。
あのブランケットは、今はこの子のおくるみとして使っている…



いかがでしたか?
この先、女手一つで小さな子供を抱えた彼女の人生は決して楽なものではないでしょう。
でもきっと今の彼女なら乗り越えていけるはずです。






さて、そんな思い出に残るブランケットをあなたもいかがですか?



Coleman(コールマン) アウトドアリバーシブルブランケット


裏は肌触りの良いフリース素材が優しくあなたを包み込み、
表は多少の火の粉もなんのそのコットンツイルで焚き火にぴったり。
強さの中に優しさも合わせ持つ、まるで素敵なあの人のよう。



とってもキュートな鹿柄


使用サイズ165×100cm
収納サイズΦ16×35cm
重さ1kg

付属品のハンドルを収納するポケット付

マジックテープが付いててしまったものが落ちずらいです。

使用する時は茶色いコットンの帆布のような方が外側です。
かわいい鹿柄は内側です。

見えない部分こそおしゃれに気を使う人にぴったり?

       




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